上から沙織の体を見下ろす。
乳房の先端がつん、と立っている。真っ白な肌が熱で赤みを帯びている。細い腰のすぐ下は愛液まみれで、陰毛に絡み付く光沢がいやらしい。
幼馴染みの淫らな姿は正志の情欲をかき立てた。ベッドにつく両手の平にじんわり汗が滲み、焦りのような興奮が体中を覆っていく。
生唾を呑むと、正志は沙織に囁いた。
「じゃあ、行くよ」
こくん、と沙織は小さく頷く。
薄いゴムに包まれた男性器をすぐ下にある女性器へと向ける。二つの器官が触れる。
ぐちゅ……
亀頭が陰唇の間を押し開き、中へと入っていく。きついが、進めない程ではないと思った。
が、
「うっ……」
沙織が顔を歪めた。その表情はいかにも痛そうで、正志は慌てて進入を中断した。
「い、痛い?」
「……ちょっとだけ」
沙織は引きつった顔で答える。
処女を失っているとはいえまだ二回目なのだ。女陰は結構な濡れ具合を見せているが、痛みはやはりあるのだろう。
正志はそこで一つ疑問を持った。
「あのさ、この前は痛くなかったの?」
「え?」
沙織はきょとんと正志を見返す。
「憶えてないのはわかるよ。けど、起きたときに体が痛かったりしなかったの?」
初体験の翌朝、下腹部の痛みはどうだったのかという話だ。酔っていても痛そうにしていたし、尾を引いてもおかしくないはずだが。
「……」
沙織はえーと、と思い返し、
「痛かったけど、あそこ……だけじゃなくて、なんか全身が痛かった……かな」
無理な性行為をしたためだろうか。
「……変に思わなかったの?」
朝起きて自分の局部に痛みがあったら、普通は疑問視する。
「あのときは、二日酔いで頭の方が痛くて……」
「……二日酔い?」
思い出す。沙織はあのとき飲酒は初めてと言った。となると二日酔いも初体験なわけで。
「お腹の下が痛かったような憶えはある……かな?」
「頭痛の方がひどかったと」
「だ、だってお腹は生理のときにも痛いけど、頭は普段痛くないから」
なるほど、と正志は納得した。考えてみれば女性は毎月血を流しているわけで、腹痛など茶飯事なのだろう。大変だ。
が、それとこれとは関係ない。挿入自体は液が潤滑油となって果たせるだろうが、無理に入れると沙織を痛がらせてしまう。
しばらく躊躇していると沙織が微笑んだ。
「ありがとう、心配してくれて。でも……いいよ」
「……痛いんでしょ?」
「大丈夫……いくらでも甘えていいって言ったじゃない」
「……」
正志は小さく歯噛みした。気を遣わせてどうする。
「できるだけゆっくりするよ。痛いと思うけど……」
「平気。耐えられない程じゃないから」
言葉を受けて体を奥に進める。
開通しているはずの膣道はひどく狭かった。潤滑油のおかげで進めることは進めるが、ゴム越しに擦れると中がひくひく動いて少し痛々しい。
だが、それ以上に気持ちがいい。
締め付けるというより閉じて進入を妨害するような感触だが、敏感な亀頭をぐいぐいと刺激してたまらない気持ちになる。奥へ進めば進む程それは顕著だ。
「あ……ぐぅっ」
同時に沙織の顔が激しく歪む。
正志は一瞬怯んだ。しかし抜くこともできない。沙織が正志の肩を掴んで離さないからだ。
このまま押し進めるしかない。正志は一気に奥まで貫いた。
「あああぁぁぁっ!」
一際高い叫び声を上げて、沙織は大きくのけ反った。両手に力がこもり、正志の肩に爪が深く喰い込んだ。痛みが走るが、沙織の痛みに比べたら大したことないはずだ、と正志は我慢する。
目尻に浮く涙を指ですくってやると、沙織は荒い息を吐きながらぼんやりと見つめてきた。
「正志くん……」
「痛い?」
うん、と頷く幼馴染み。
「でも、嬉しい……」
「ぼくも」
「……ん」
沙織は目を閉じて、唇を軽く突き出してきた。
正志はそれに応える。口唇を交わらせると、体がより密着した。
温かく柔らかい感触に、正志は満たされる思いだった。
ほんの少し前までただ親しい人だったのに。今はこんなにも近しく、愛しい。
絡み合う舌を解き、ゆっくりと顔を離す。
「動いていい?」
「ん……」
沙織の小さな返事を確認して、正志は腰を動かし始めた。
腰を引いていくと、襞々が亀頭のエラに引っ掛かって刺激を送り込んできた。
今度は前に押し進める。引いた分を戻そうと、再び奥へ。
(うわ……)
前回はあまりに唐突すぎて何が何やらわからないうちに終わってしまったが、こうしてしっかりと感触を味わうと別の意味で何が何だかわからなくなってしまう。
異性の柔らかい秘肉が男根にみちっと絡み付く。ゴム越しでも充分気持ちいい。
「あ……う、あん、あっ……」
沙織の口から洩れる喘ぎが耳をとろかす。
非常に緩慢な往復を繰り返していくと、次第にスムーズに動かせるようになっていった。
染み出る愛液が往復を助ける。膣の締め付けが柔らかくなり、進入を阻害しなくなる。
(すご……こんなにいいんだ)
覚え立ての頃は病み付きになるとは聞くが、それが正に実感できる。相手が美人なら尚更だ。
前後の動きを重ねていくうちに、沙織の吐息がどこか色を帯びてきた。苦痛が和らいできたような、腰の動きに合わせて洩れ出る淡い息。
「はあ……んっ、まさ……し、くん……」
「気持ちいいの? 沙織さん」
「わかん、ない……でも……いやじゃ、な……あんっ」
艶めかしい喘ぎ声。綺麗な唇から溢れるそれは、互いを陶酔させる魔力に満ちていて、
「ああ……わたし、へんかも……あんっ、あっ、あっ、ああっ!」
徐々に大きくなっていく嬌声に引っ張られるように、沙織の体はどんどん熱くなっていって、
正志は沙織の体を溺れそうな程に貪った。
腰はもう遠慮なく動いていた。沙織も痛がることなくそれを受け入れている。
ぱちゅ、ぱちゅん、と音が響く。淫水がシーツに滴り落ち、互いの汗が混じり合う。
正志は下っ腹に力を入れる。気を抜けばあっという間に達してしまいそうだ。女陰の与える快感は気持ちよすぎて油断ならない。
形のいい胸が揺れている。
正志はその両胸をおもむろに鷲掴んだ。
「きゃあっ!」
驚いたような沙織の悲鳴。
正志は根本から絞るように揉み込んだ。沙織が上体をよじるが、もちろん逃れることなどできない。
「やぁ、揉んじゃダメぇ……」
乳首をこね回したり、乳輪に舌を這わせたりしながら丁寧に揉んでいくと、沙織はやがて抵抗をやめた。
正志の手で自在に形を変える乳房。ぐにぐにと揉みしだくと膣がきゅうっと締まった。
締め付けが腰の奥まで響くようで、正志は思わず声を洩らした。
「うっ……」
沙織は正志の反応に驚いて動かしていた腰を止めた。
「正志くん?」
「い、いや、大丈夫」
「でも」
「単に沙織さんがエロすぎるだけだから」
沙織は一瞬きょとんとなって、それから顔を真っ赤にした。
「な、何それ」
「いっぱい感じてるし、いっぱい締め付けてくるから」
「感じてるなんてそんな……あんっ」
腰をぶつけると沙織は甘く喘いだ。正志は沙織に覆い被さると、うなじにかぶりつきながら両胸を激しく揉み込んだ。
「ひゃう……あっ、んっ、んんっ、あぁんっ」
正志は汗でしっとりと濡れた肌を舐め回す。ほんのりと上気して桃色に染まった柔肌はどこもかしこも柔らかく、触れているだけで興奮を高めた。
(沙織さん、本当にエッチだな……)
正志の色のこもった視線に、沙織は顔を背けた。
「み、見ないで」
「そんなこと言われても……」
目を逸らすなどできるわけがない。
「ダメ……こんなの私……」
「何がダメなの?」
「……いやらしい女なんて思わないで」
「かわいいと思うよ」
沙織は呆けた顔で正志を見やる。正志は苦笑した。
「ひょっとして、嫌われるとか思ってる?」
「……違うの?」
「そんなわけないよ。むしろもっと好きになりそう」
淫らに乱れる様子は、正志の知っている天川沙織とは思えないくらいのギャップがあったが、少しも幻滅しない、むしろ魅力的だとさえ感じる。
沙織は恥ずかしそうに沈黙したが、やがて正志をじっと見つめて訊いた。
「いいのかな……いやらしくても」
「ぼくの前だけならね」
正志が冗談めかして笑うと、沙織はむっとした顔で睨んだ。
「私、そんな軽い女じゃない」
そして正志の体をぎゅっと抱き締める。
「正志くんだけなんだから」
「……うん」
頷いて、またキスを送る。
正志は腰をひたすら振った。子宮にぶつけるようなイメージで自分の逸物を何度も突き入れる。
沙織も合わせるように体を動かす。正志の体に擦り付けるように腰が跳ねる。
腰がぶつかる度に陰嚢ごと吸い出されるような快感が正志を襲った。電流が脳を駆け巡り、下半身から背中に沿ってゾクゾクと震えが走る。
「ひあっ! ゃんっ、んっ、あっ、あぁんっ!」
沙織の嬌声がどんどん激しくなる。長い髪を振り乱して何度も喘いだ。
その綺麗な色声に正志はますます興奮して、さらに行為が激しさを増した。
「あっ、あんっ! はげし、やっ! はあ、んっ、ふあああっ!」
深い谷の底に落ちていきそうな、たまらない陶酔が理性を狂わせていく。
膣内で暴れる男性器がやがて限界を迎えた。
「沙織さん……もう、出るっ」
「んはぁっ! わた、わたしもっ、なんか、ああっ!」
腰の動きが小刻みになる。打ち込む分身が欲望の塊を放出しようとゴムの中で震える。
「くう──」
「あっ、あっ、いっ、あっ、やっ、ああっっ!!」
これまでで一番の沙織の嬌声が上がると同時に、正志はゴムの中に溜まった白濁液を勢いよく吐き出した。
先端から火を吹くように熱い精液が次々と噴出する。下腹部に抜ける快感はヒリヒリと痛いくらいに痺れるものだった。