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彼女の不安・3


          ◇     ◇     ◇

 セーター越しにやわやわと胸を揉む。それなりに張りのある乳房は服の上からでも柔らかい。
 青川は肩を震わせながら愛撫に耐えている。
 セーターを捲り上げると、水色のブラジャーが露になった。その上から頂点付近に指を這わせる。
 震えが一瞬強くなった。乳首を狙ってぼくはブラジャー越しに吸い付いた。
「……んっ」
 口から呼気が漏れた。敏感に反応する様子がたまらない。
 両手で双房を鷲掴みながら、ブラジャー越しに乳首を舐める。
 直接刺激しないことが逆に情欲を煽り立てるようで、青川は焦れったそうに体をくねらせている。
「んっ……あ……んん……」
 胸から下に顔を移動する。真っ白な腹からへその辺りを丹念に舐めると、青川はぼくの頭を小さく叩いた。
「い……じわるぅ……」
「ちゃんと触ってほしい?」
 弱々しく頷く青川。
 リクエストに応えようと、ぼくはミニスカートに手をかけた。
 短い裾を捲ると上と同じ色のショーツが見えた。
 既に薄い下着は濡れ始めていた。股間から牝の匂いが立ち込める。
 ショーツを脱がすとぬらぬらと濡れすぼった秘唇が露になった。
 指を伸ばす。触れた瞬間青川の体が強張った。
 縦の割れ目に沿ってなぞる。染みだす愛液が指先にまとわりつき、透明な橋を秘所と指先に作った。
 人差し指を中に侵入させてみる。
「あっ!」
 短い悲鳴が上がった。ぼくは反応に気をよくして、さらに奥に差し入れる。
 中はまるで温泉のように熱く、うねうねとナマコのように動いた。
 側面をなぞり上げるとその動きはますます活発になった。
 ぼくはしばらくその感触に酔いしれた。肉壷をぐちゅぐちゅとかき混ぜる。
「あっ……あんっ、やぁんっ、だめ、こ……すけ、く……あぅんっ」
 青川の悩ましげな喘ぎが部屋の壁に反響する。
 これ以上はもたない。青川じゃなく、ぼくが。
 早く繋がりたいと切に思った。
 この愛液でだらしなく弛緩した肉壺に、自分の逸物を突き入れたい。
 ぐちゃぐちゃに突き入れて、彼女を淫らに喘がせたい。
 ぼくはジーンズを一気に脱ぎ下ろし、トランクスから怒張した性器を抜き出した。
 そのまま一気に繋がろうと腰を下ろすと、青川が両手を突き出してきた。
「ダメ……」
 荒い息遣いの中で予想外にはっきりした声だった。ぼくは虚を突かれて固まる。
「服……」
 服?
「脱いで……」
「……」
 ちょっと意表を突かれた。
 でも言いたいことはわかる。このままやったら服はぐしゃぐしゃになるだろうし。
 ぼくは急いでシャツと肌着を脱いだ。トランクスも脱ぎ去り、十秒で全裸になる。
「……」
 次いで彼女の服も脱がせていく。
 こちらはさすがにすぐというわけにはいかず、二分近くかかってようやく全ての衣服を剥ぎ取った。
 ベッドの上で向き合うと、ぼくは用意したコンドームを手に取る。前は着けなかったけど、やっぱりこういうことはしっかりと、
「……着けなくていいよ」
 固まった。
「……それは」
「……ピル飲んでる」
「……っ」
 ぼくは思わず生唾を呑んだ。
 青川の裸体が横たわっている。呼吸の度に胸が上下している。
 コンドームを併用した方が避妊効果は格段に上がる。
 でも青川の申し出は、そんな理性を跡形もなく剥ぎ取ってしまうくらいの威力を持っていた。
 一ヶ月前の感触を思い出す。生で味わった性の快感。
「……今日だけだよ」
 残った理性の欠片で精一杯の返事をすると、青川は見透かすように小さく笑った。


 青川の熱っぽい視線がぼくの体を下からねめつける。
 それから顔の方に視線を固定し、まっすぐぼくの目を見つめてきた。
 ぼくもまっすぐ見返す。想いをぶつけるように、まっすぐ。
 改めて腰を落としていく。逸物を青川の大事な所目がけて、突き出していく。
 亀頭が割れ目にゆっくりと埋まっていく。粘液がくちゅ、と微かな音を立てた。
 性器同士が徐々に合体していく。襞々が剥き出しの肉棒に絡みつき、強烈な刺激を与えてくる。
「んんっ……ああぁっ……!」
 青川のきつそうな声が耳を打つ。まだまだ経験の少ない彼女には辛い行為だろう。
 だからといってやめる気は毛頭ない。
 肉棒が全て膣内に埋まると、ぼくはしばらく動きを止めた。
「きつい?」
 青川は首を振った。
「痛かったりしないの?」
「……気持ち、いい」
「本当に?」
 尋ねると、青川は不思議そうに呟いた。
「こーすけくん……だからかな……?」
「――」
 好きな人だから気持ちいい。
 そんな幸せな感覚が彼女を、そしてぼくを覆っている。
 こんなに満たされた気持ちになるのは、青川とじゃなければありえないと思う。
 それはきっと、青川も同じだ。
「文花……」
 腰を動かしながらぼくは初めて彼女の下の名前を呼んだ。
 青川は――文花は、ひどく驚いた顔でぼくを見つめてきた。
「……愛してる。文花はぼくのものだから。ぼくだけが文花を好きにできるんだ」
「……」
 文花は華やかな笑みを浮かべると、ぼくの背に両手を回してしがみついてきた。
 強く密着し合う体。柔らかい体の感触はどこまでも温かく、酩酊しそうなほど心地好かった。
 激しく腰を叩きつける。文花の真っ白なお尻にぶつかる度に叫声が起こる。
「んっ……んっ、うんっ、あっ、あんっ……」
 膣内の締め付けはとろけそうな程気持ちいい。
 きついのに抵抗がないというのは不思議な感覚だった。
 文花の柔肌がぼくの性欲をむちゃくちゃにかき立てる。
 お互いの性器をいやらしく擦り合わせれば擦り合わせる程、ぼくらの体は悦楽に浸っていく。
 手加減なしにひたすら突き入れていると、やがて限界が訪れた。
「……は、あっ……こ……すけく、……んむっ!?」
 悶える文花の唇を不意打ちで奪う。
 唇を、胸を、腰を、全身を密着させて、ぼくは彼女の体の感触を貪った。
 男根の奥からこみ上げる衝動。それをぼくは遠慮なく奥に吐き出した。
「んんっ……や、ああああああ……ん……あっ」
 精液を一番奥に送り込みながら、ぼくは腰をぐい、ぐい、と押し付ける。
 膣内の粘膜に擦りつけるように、精液をどくどくと流し込み続けた。
 絶頂を迎えたのは文花も同じだったようで、体が跳ね上がるように震えていた。
 ぼくの精液を奪うように下から腰を押し付けてくる。ぼくもそれに応えて、互いに下半身を押し付け合った。
 衝動がようやく収まり、脱力感が全身を襲った。ぼくは文花と繋がったまま、体重を彼女に預ける。
「は……」
「……」
 息遣いを間近で感じながら、ぼくは彼女の放心した顔を見つめた。
「耕、介くん……」
 息も絶え絶えにぼくの名を呼ぶ文花。ちょっと重いのだろうか。
 その顔は風邪をひいたように熱っぽく、赤い。潤んだ瞳は宝石のように綺麗だった。
「……大好き」
 小さな呟きがぼくの脳を揺さぶった。
 そんなこと言われると……
「文花」
 ぼくは体を起こし、繋がったままの腰を再び動かした。
「あっ」
 ゆっくりとピストンを再開する。出したばかりなのに、逸物はもう硬さを取り戻していた。
「んん……ダメェ……」
 か細い声で文花が抵抗する。でもぼくに止まる気は全くなかった。
「たくさんしてって言ったのは文花の方だよ?」
「そ、そうだけど……」
「ごめん文花、もう一回だけお願い。あと一回だけだから」
「……」
 黙り込む文花。
 スイッチの入った欲望を止めることなどできなかった。釘を打つようにぼくは男性器を中に突き入れていく。
「……もうっ……ばか」
 諦めたように文花はぼくを抱き締める。
 受け入れてくれた様子を見て、ぼくは心置きなく彼女の体を愛し始めた。

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